教員の進路指導に振り回されるな
今回は、主に進路選択に悩む高校生に向けて書くことにする。
いきなりだが、先生の進路指導、文理選択を盲信してはいないか?
教員を批判するつもりはない。先生に進路選択をさせること自体難しいと感じるし、ましてや、ただでさえ忙しい教員にこれ以上の負担を強いることは酷である。
だから教員ではなく生徒であるあなたに向けて書くことにしたのだ。
なぜ盲信してはいけないのか
まず、シンプルに考えてほしい。
ほとんどの教員は大学で教職者用のプログラムをとり、卒業後そのまま教員になる。
この時点で分かるかもしれないが、生徒のマジョリティが選択する一般企業や研究者になったことはない。つまり、進路指導において、あなたの直々の先輩としての視点は確実にもてない。
もちろん、見聞きしたことを話すことはできるし、実際に新卒就職活動を経験した教員はいるだろう。
しかし、ここにも問題がある。ほとんどの情報が古いことだ。
グローバル化が進んだ今日、世界は前例にないスピードで変化している。
難しい話になるが、産業のライフスパンも加速度的に早まっているのだ。
だから教員やその世代の人間の仕事観や見立てはこの変化に対応していない可能性が極めて高い。
例えば、「安定した生活なら金融、特に銀行に行け」というアドバイスをしてしまう可能性がある。
ニュースを見ている人はわかるかもしれないが、昨今の銀行員はもはや安定的な職業とはいえない。厳密にいうと、今後は銀行業は残っていくだろうが、銀行員は大きく減少していくことになるだろう。
以上分かる通り、先生という立場の特殊性や情報の陳腐化という点で進路指導を盲信してはいけないのだ。